春を迎え、暖かい日が続くようになりました。
春は出会いの季節。栄光学園同窓会も、73期卒業生171名を新たに会員に迎えました。同窓会長として卒業式に参列しながら、37期の私と73期は36歳差であることとともに、1期の先輩方と私の年齢が36歳差であることに気づきました。卒業式から祝賀会に至るまで73期生のイキイキとした姿を見ながら、不思議と1期の先輩方の未だ情熱溢れる姿が重なり、73年の時を経ても、母校栄光学園の6年間が私たち同窓生を繋いでくれているのだと感じました。これからも、時代は変われども変わらない心の拠り所、そんな母校栄光学園であって欲しいと思います。
73期の卒業式と同じ3月1日に、上智大学にて姉妹校4校の合同イベントを開催しました。詳細は別稿にてお伝えしますが、上智学院のアガスティン・サリ理事長(イエズス会司祭)をお迎えし、イエズス会中等教育(中学・高校)の今を、各校同窓生のパネラー4名と語り合っていただきました。
21世紀に入る前は400名余りいらっしゃったイエズス会の司祭が現在は140名ほどになっているという話(140名余りのうち現役を退いていらっしゃる方も相当数いらっしゃるはず)は、ある程度想像はしていましたが、やはり驚きました。
サリ理事長は、イエズス会中等教育で大切にしてきた価値観として「厳しさ」と「自主性」の2つを挙げられていました。これは私自身が在学中に感じていた「栄光らしさ」と共通するもので、各校の同窓生も頷いている方が多いように感じました。
神父様がいない今の栄光学園で、大切にしてきた「栄光らしさ」が失われて行くのを心配されている先輩方も多いと思います。しかしながら、私自身が卒業から四半世紀が過ぎた「神父様がいない栄光学園」で、長男(67期生)の「保護者」として過ごした6年間でも同様の「栄光らしさ」を感じる場面が多かったのは、今考えると不思議でした。もしかしたら、「栄光らしさ」とは「外国の神父様が多数いらっしゃることによる多様性」に拠るものだけでは無いのかもしれませんね。皆さんは「栄光らしさ」(他校と栄光学園の違い)についてどう感じられますか?
4校合同イベント懇親会の場でも、「神父様がいらっしゃらない母校」という共通の心配事を持つ4校の同窓生が、それぞれの経験や立場で活発に意見交換をしている場面が見られました。不思議なことに、他校の同窓生にも「栄光らしさ」を感じる場面が多かったように思えたのは気のせいでしょうか。
在学中はあまり交流の機会が無かった姉妹校ですが、今後も共同イベントを企画して行きますので、会員の皆さまもぜひご参加ください。
母校栄光学園は、2027年に創立80周年を迎えます。
学園からご案内の通り、「栄光学園創立80周年事業」の趣意に賛同し、学園の財政的な負担を軽減することを目的とし、「未来EiKO募金」の仕組みを活用して事業費の一部をサポートするため、同窓会・栄光会・後援会・学園の四者で「80周年事業募金委員会」を設立し、同窓会長が委員長に就任しました。
1964年の大船移転から60年以上が経つ昨今、移転当時から使用している大講堂・第一体育館をはじめとする各施設を、今後数十年に亘り学園の教育活動にフルに活用できるよう必要なメンテナンスを施すことは、学園の歴史と伝統を受け継いでいく上で大変意義あることだと考えています。また、昨今の気候変動にあわせた空調整備等は、生徒・教職員が安全に教育活動に勤しむ上でもとても重要で、学園の未来を創っていくために必要な整備であり、在学中の生徒の皆さんにもすぐに価値を体感いただける事業です。
記念事業の第1弾として、今年の5~7月に体育館に空調設備が設置されることになりました。今夏も予想される猛暑・酷暑になんとか間に合い、後輩達が安全に授業や部活にのぞめることは、大変喜ばしいことです。
まだまだスタートしたばかりではありますが、学園の未来に向け、同窓生の皆さまからより一層のお志を賜りたく、なにとぞよろしくお願いいたします。
なお、80周年事業募金は「未来EiKO募金」の仕組みを活用していますので、所得税・住民税における税制上の優遇措置(寄付金控除)を受けることができます。募金委員会では、一定額以上ご寄付いただいた方に向けた学園からお礼の品等も検討し準備しています。
募金は2028年度まで継続しますので、昨年募金にご協力いただいた皆さまも含め、温かいお志を賜りますよう、重ねてお願いいたします。
私たち栄光学園同窓会の目的は「会員同士の親睦を図る」「母校の発展に寄与する」の2つを軸に、母校で学んだ高い理想と教養をベースに社会に貢献することです。(会則第2条)
環境の大きな変化に合わせ今の「栄光らしさ」を考えることや、学園の未来に向けた80周年事業への協力は、同窓会の目的に適っており、母校への恩返しなのだと思います。会員の皆さん一人ひとりのご理解とご協力を、引き続きよろしくお願いいたします。
栄光学園同窓会 会長
河原光博 (37期)