総務部長 青木 嘉光 (10期)
今年度、会長の発案で設置されることとなった「栄光学園同窓会のビジョン検討」特別委員会の第一回会議が8月20日に開催されましたので、ご報告致します。なお、第一回と次の第二回は、この特別委員会の方向を探る自由な意見交換会と位置付けており、参加メンバーの発言を本号ALUMNIでご紹介するものです。読まれた会員の皆様、ご意見・お考えをお寄せくださり、議論に参加していただけるようお願いいたします。
先ず、会長から「栄光学園同窓会のビジョン検討」特別委員会設置の目的を説明
第一回の「栄光学園同窓会のビジョン検討」特別委員会を開催いたします。定期総会の議案書、また平成31年同窓会長新年ご挨拶にも書きましたが、会長になって2年、会長になった時から、自分が退任したあとのことを考えるのが会長の一つの大切な仕事だと思って、この2年間やってきました。5月総会で、もう一期2年という了解を頂きました。最大でも三期6年、普通なら二期4年と考えますが、次につなげていくにはどうすればいいのかを考える中で、そもそも、この同窓会の仕組みと言うのが、学園が70周年を越え、同窓会員も12,000人、当初、少人数でスタートしてから12,000人になっても基本的仕組みは変わっていない。それでいいのかも含めて、今後どうしていくのか、また学園が様変わりする中で、どうしていけばいいのかということを、私から次に引き継ぐべき世代に向けて、その人たちを中心に出来るだけ幅広に検討して頂いて、次代の人達の良い形に同窓会をしていく。もちろん同窓会なので、1桁期台の先輩方でご活躍をされている方々もたくさんいらっしゃる中で、大先輩方を尊重しつつ、若い人たちも取り込みながらという、そういう同窓会へとさらに進めて行くことが出来ればと思って、この特別委員会を立ち上げさせていただきました。これから9ヶ月、まず今年度中ということで、色々とご議論頂きながら、どういう形が将来的に同窓会としてはいいのかということで少し方向性を出して頂ければと思いますので、よろしくお願いいたします。基本的には総務部のマターになりますので、資料や全体的な整理、さらに進め方に関しては総務部長の方でやってもらいます。ただ、その中で、今日も色々とご意見を頂きながら事務的には総務部マターですが、「委員会」ということからいうと、私の腹案的なところでは、この中で中心になる「座長」的な方を選出して、その方を中心に議論を進めて頂くのがいいのかなとも考えていますので、それも含めてご議論頂ければと思っております。
私もかれこれ20年ほど同窓会事業に関わっているかと思います。菱沼さん、高須さん、その前の後藤さんと会長が替わり、その元で色々とやってきたのですが、基本的な仕組みが変わらない中で、ボランティア的ないわゆる手弁当で、関わってもいいよと言う人達とやってきました。ただ、栄光の同窓会の全体的な傾向として感じるところでは、「口は出すけど、手は出さない」という、ある意味賢い人が多いのかなと。そんな中でも、そうは言っても誰かがやらなければならないだろうという人が何とかやってきたのが実情だと思います。
この委員会では、自由な意見交換、また方向性を出して頂ければとは思うのですけれども、私が強くお願いして、少々無理を言ってこの委員会を敢えて立ち上げていただいたというところがあります。それは、冒頭言ったように、今後同窓会をどうするべきなのかということを、若い世代の人達にも考えてもらってその人達に引き継いで行きたいという思いがあってのことです。
もう少し具体的に言うと、そもそも今の会則も含めて、会長がいて、副会長がいて、事務局長がいて、各部長、幹事、常任委員、各委員会という同窓会の組織の形、この仕組みが本当にいいのかなというのもありますし、それから会長を2年少しやらせて頂いた中で、改めて歴史を振り返ると栄光の会長と言うのは比較的実務派が多い。いわゆる会のことを実務的に皆様に議論して頂き、最終的に判断して「では、これでやっていきましょう」と、そのようなタイプだと捉えています。一方では、他の同窓会などでは、会長と言うと、もうちょっと著名人というか、世間的にも有名な人を頂くというような位置づけとして、事務的には執行部がいるという、そういう建付けの会も結構あります。同窓会の規模が小さかったところから、会員12,000人までの規模になった時に、どういう仕組みがいいのかなということも、今迄のままでいいのかもしれないし、もう少し違う姿があるのかもしれない。私の中で結論が出ているわけではなくて、とはいえ、検討するべき時期にもう来ていることは間違いないなと、そういうことも含めて方向性や到達点として何か形が出てくればいいなと思います。とても難しい課題であり、私も色々ともやもやとした思いがある中で、この特別委員会を立ち上げさせてもらったということですので、幹事の方達を中心に色々と議論していただきたいということを補足させていただき、改めて、よろしくお願いいたします。
なお、メンバーは以下の通りとなります。
会長、関根副会長、増木副会長、事務局長及び、活動サポート部長、広報部長、財務部長、
菅原信夫(18期)、藤野啓介(28期幹事)、中路喜之(29期常任委員)、米山操(30期幹事)、森厚(31期幹事)、内藤文樹(32期常任委員)、河原光博(37期常任委員)、村井基彦(37期常任委員)、大須賀喜彦(39期常任委員)、西條達(40期幹事)、齋藤琢郎(42期幹事)、米村俊彦(43期常任委員)、石田明久(51期常任委員) *敬称略 (取纏:総務部長)
次に、議論の基礎を揃えるため、ここ数年の同窓会の活動をざっと説明(総務部長)
会員が10,000人を超えたここ数年(2013年5月~2017年5月 菱沼会長、2017年5月から山田会長)の同窓会活動について、同窓会の目的別に振り返った。 この間の大きな課題は「栄光学園の70周年記念事業」で、同窓会活動の多くはこの協力のために割かれた。活動を進めるにあたっては、「同窓会員全数調査」、「EACONの導入」、「ホームページ・リニューアル」等によって広く集められるようになった会員の皆様からの色々なご意見が大きな推進力になった。
栄光学園同窓会会則から同窓会の目的について再確認し、3つの目的別に活動を振り返った。
本会は、栄光学園出身者間の親睦を図ると共に、母校で学んだ高い理想と教養を保ち母校の発展に寄与し、社会に貢献することを目的とする。
学園からの希望、会員からの意見を見直してみた。
現在の同窓会会費は一人年間2,500円、会費免除外の会員は約9,000人。会費納入率は2018年度47.0%、2019年度44.9%。初年度の入会金などを加えると、平均して年間の収入総額は12,000千円前後。これが、同窓会活動の目的別に次のような割合で支出されている。
この後、第一回会議なので、テーマをしぼらず出席者が自由な視点から発言、意見交換
「栄光学園同窓会のビジョンを議論する前に知っておきたい」
まず、一番重要なポイントなんですけど、栄光学園同窓会のビジョンって、一体なんだということ。私が考えているのは、まず、栄光学園と同窓会の理念の一致と理念の実現。
やはり学園が進もうとしている方向に同窓会があってしかるべきだろうということ。もう一つは、ステークホルダー。これ、今、すごく複雑化している。DIVERSITYということも含めると、従来入れていなかったようなステークホルダーも出てきて、それを圧力団体として見るか見ないかは別として、非常に多くの異なる集団が栄光学園の周囲に存在しているのだと。それから三つ目として、栄光学園同窓会の会員のための同窓会で終るのか、あるいは社会における栄光学園卒業生の具体的活動の支援をすると言う意味も同窓会にあっていいのではないか。即ち、栄光学園の理想とするものは、皆さんが大学に出て、さらに企業に入って、それから最近思うのは企業を卒業してからさらに次の活動に入って行く中で、栄光の理念と言うのが社会に還元されていく。そうなってくると栄光学園の卒業生の示す力というものが、実は栄光学園の力になる。学校と言うものの両輪を、在校生と卒業生が支えるというそれだけの、在校生の支援組織ではなく、我々がある意味、栄光学園の主役になるんだという、こういうような考え方がこれからは必要になってくるのではないのか。ここで、我々が新しい同窓会をどうするかを考える前に、常識として知っておかなければならない。(18期・菅原)
「寄付金の制度について」
例えば、今回の70周年で校舎の建て替えがありましたね。募金もありました。学校が通常廻って行くには充分収支はあっているけど、例えば、何か大きな行事などがあって、目的や事情に応じて寄付を募りましょうという仕組みはあってもいい。(51期、石田)
「法人合併後について」
栄光学園は上智大学と比較して、雰囲気も同じだし、今回の合併にはあまり違和感は感じてない。上智学院がどういう要求をしているかはわからないんですけど、それが入ってくるのが、悪いのか良いのかを言うのは別の話ではないのかなと思う。で、今、実際、神父様がいなくて修道院の建物も無くて、でも、栄光と上智とで、流れているものは神父様がいなくてもかわらないなと思う。上智学院から何か言われて変わる部分があったとしても、本当に大きなことでなければ環境の変化として受け入れて同窓会も対処し、協力すべきではないのかなと思う。(37期、河原)
「アーカイブの利用について」
なんとなく理念は継続しているようなんだけど、この後このままでずっと行くのであるのなら、いいのだけども。そうでないのであれば、OBが語り部になる必要もあるのかなとも思って、それがアーカイブに繋がって行くといいのではないのかな。そういう関わり方というのもあるのではないのかなと思う。(30期、増木)
「卒業生の企業活動の支援について」
例えば、大先輩からあった話は、企業活動をサポートする栄光の同窓会。要するに同窓生の企業活動を同窓会として、何かサポート出来ないか。その為には、色々な集まり、ファシリティというのがあるが、東京都内でないといけない。そういうファシリティを持てないだろうかと盛んにおっしゃっている。で、その先輩の場合は、別組織を作ろうと言っている。そうでなくても、今の同窓会の中に、例えば「企業部会」みたいのを作って部会長を別に立てて、同窓会全体との連携を持ちながら、企業の人達とのやり取りをサポートして行く。というようなことをやればいいのではないのと言う話をさせて頂いていて、それに対しては「うん」というような感じではない。もう一つは慶応大学にはモスクワ三田会というのがあって、メンバーが70人ぐらいいる、その5倍、350人の人が東京モスクワ三田会支部でやっている。これ栄光で出来ないのかなと思っている。モスクワではなくニューヨークにしたら、栄光の卒業生はいっぱいいる。(18期、菅原)
「地元との繋がりについて」
私は玉縄台の自治会で、役員、副会長をした時に、お祭りに栄光学園の生徒が結構来ていた。この地域、今700世帯位あるんですけど、栄光学園の緊密さってものすごいものがあって、「何かあったら栄光に。栄光は何かあったら地元にと。」地元での苦情も聞かれますし、そういう関係を作っているのも、この理念、先ほど話が出ていたように、卒業してからの方が長いわけですから、卒業してから栄光の理念をというのは正にその通りだと思います。そういう意味で、社会に出てから、会社に出てから、こうやって栄光に関わっていくのも、いいことだなあと。今日初めて委員会に来て感じました。(42期、齋藤)
「奨学金等について」
私達、一人一人が支払っている同窓会費は終身で換算しても、学園の生徒一人当たりの授業料よりはるかに少ない。お金の面で、学園をサポートするというのは現実ではない。生徒にではなく、栄光学園の先生に、例えば海外とかに一人研修を行ってもらう。生徒にではなく先生に対する奨学金みたいな形で、それを学園に還元してもらう。金額の現実的なところでは、こんなことになるのかなとも思う。(37期、村井)
第一回会議
開催日:8月10日15:00~17:00 アロイジオ会館2階ホール
関根副会長、藤野啓介(28期幹事)、米山操(30期幹事)、森厚(31期幹事)、内藤文樹(32期常任委員)、西條達(40期幹事)は欠席、 *敬称略