河原光博、村井基彦 (37期)
昨年度から設置された「栄光学園同窓会のビジョン検討」特別委員会は、今年度も活動を継続することになりました。昨年度は、主にこれまでの同窓会の活動を、ライフタイムに対する時間軸に当てはめながら図1のように整理をしてまいりました。
Alumni93号でご報告した通り、ここ数年の同窓会の活動を整理したうえで、同窓会の役割であるOB同士の交流を促進する仕掛けを、各年代で新たに企画・整理して行きました。本特別委員会の今年度の活動は、新たに企画・整理したイベントの中から、実施に向けたトライアルを行っていくことになります。
昨年度までの計画では、今年度はOBフォーラムの通年開催をベースに、各種トライアルを試行して行くこととしていましたが、新型コロナウィルスによる大きな環境変化により、対面集合型を想定していたOBフォーラムは実施方法の再検討を余儀なくされる等、大幅な計画の変更や後ろ倒しが必要となっています。
本特別委員会も、今年度は集合ではなく、Zoomによるオンライン会議を試行しています。当初は不安の方が大きかったのですが、実際にオンラインで開催してみるとメリットも多く、有効な手段ではないかと感じています。メリットの一つとして、これまでは、大船までの距離や移動時間から参加が難しかった方も、多数参加するようになり、より幅広い世代の意見を取り入れることができるようになりました。「自宅から参加できる」という新たな環境変化を積極的に取り入れ、情報インフラを使いこなしていくことで、同窓会の各種取組も、まだまだ進化していく余地があると思います。
また、本特別委員会の今年度の活動は、同窓会の活動を整理する中で、「つながる」仕掛けが限定的で重点的に取組む必要があると認識した20代~30代前半に対し、活動促進のトライアルを行うとともに、新型コロナウィルスをはじめとする世の中の状況を見定めながら、来年度以降の活動につながる準備をしていきたいと考えております。
20代~30代前半の世代に「つなぐ、つながる」仕掛けとして考えている取組の一つに、「同期 期委員会・キャプテン会」があります。期委員は、同窓会則第17条により各期2名~6名となっており、卒業時のクラスごとに委員が1~2名任命されています。同期のつながりを促進する役割とともに、同窓会とのパイプ役でもありますが、その役割は明確ではありません。また期委員だけでは単純計算で1人当たり30名~50名前後の連絡役となっており、情報の伝達・収集に限界があります。実際、卒業後時間が経つに従い、機能不全に陥っている期があるのも事実です。
そこで、卒業からあまり時間が経っていない世代を中心に、期委員に加え在学中の部活動のキャプテン達にも集まってもらい、まずは同期をつなぐ役割としての意識づけと、若い世代のOBの要望の吸い上げを図ることを考えました。部活動のキャプテンを加えたのは、「部活動」という学園生活の一つの軸となるコミュニティを通した情報伝達・収集の手段を加えることにより、期委員・キャプテンによる縦軸・横軸を使った情報共有・コミュニケーションの量と質の向上を図ることを期待して、になります。
※部活動のキャプテンは、在任中、定期的に集まり会合をする仕組みがあり、それを「キャプテン会」と呼んでいます。本特別委員会でも、同期の部活動のキャプテンの皆さんの集まりを「キャプテン会」と称することとします。
対象の年代は、卒業後3年目(大学3年生)と卒業後6~7年目(社会人2~3年目)をイメージし、主に下記の5点を期待しています。
特に、同窓会の機能のベースとなるEACONの周知・情報の更新はオンライン型同窓会名簿であるEACONの存在価値そのものにかかわるので、大変重要だと考えています。
また、卒業後4年間は、在学時の積立金から会費を一括納入しているため、同窓会の安定的な収入確保の観点からは、卒業後5年目以降の会費納入率をアップすることも大切です。そのためにも、会費納入に向けた周知とあわせ、若手OBに対し、会費に見合うサービスの安定的提供に向けた意見・要望の収集は欠かすことができません。
大学3年生世代と社会人2~3年目世代にターゲットを絞ったのは、卒業後に栄光OBのつながりを活用したい・活用して欲しい最も若い世代だからです。具体的には、大学卒業後の進路を決める「就職活動(就活)」において、実際に社会人として活躍している栄光OBの先輩方に話を聞ける場があれば聞きたい、と考えている学生は多いと思われます。また、先輩OBの立場でも、栄光の後輩が話を聞きたい、と言ってきてくれたら、忙しい中でも時間を作ってあげたい、と思う方が多いのではないでしょうか。在学中の部活等など直接つながりのある先輩だけでなく、自分のキャリアビジョン実現の参考になる先輩を探して、自分自身でコンタクトを取っていく行動は、キャリア形成の第一歩になります。本特別委員会としては、若手OBのキャリア形成の支援としても、この世代にターゲットを絞った取組が有効だと考えています。
「栄光OBを探し、コンタクトをとる」ために有効なツールがオンライン型同窓会名簿「EACON」であるのは言うまでもありません。紙媒体の分厚い冊子形式では到底できなかった様々な便利な機能が実装されています。例えば、充実した検索機能により、卒業大学や勤務先、在学中の部活動などでの検索はもちろん、苗字だけでのあいまい検索なども対応しており、多様なつながりを促進できます。また、オンラインなので出先でもスマートフォンで簡単に検索でき、ビジネスシーンでも活用できます。
とはいえ、名簿は情報の鮮度がとても大切です。それには同窓会員であるOB各位がEACONにアクセスし、自分の情報を更新していただきたいと思います。また、E-mailアドレス等を公開していただき、後輩から気軽にアクセスできる環境を整えていただきたい、と考えています。
EACONへのアクセスは、2019年7月に会員全員にお送りした「「会員名簿」の印刷終了と「EACON」開始について」を参照ください。その際に、ログインされていない会員には仮パスワードを通知していますが、ご不明の場合は事務局まで個別にお問い合わせください。また、EACONの使い方については、同窓会ホームページに掲載されています。
また、若手世代だけでなく、年代を問わず、栄光OBのネットワークを通して、つなぎ・つながる取組を支援するということも、本特別委員会の中で議論しています。実際に、18期の菅原信夫さんを中心とする、OB同士の「仕事」を中心としたつながりを作り出す取組や、66期生による、栄光OB・在校生限定でのWEB上での「学びの場」の提供といった、新たな取組みが動き出しています。本特別委員会では、この様なOBの自発的な取組を同窓会として支援していくべきと考えています。
議論を重ねながら、実際に「キャプテン会」が機能するのか、そもそも当該年代のOBにどう受け入れられるかは、最若手でも30代後半・中心メンバーが40代~50代の本特別委員会のメンバーには未知数です。そこで、9月初旬に66期(卒業後3年目・大学3年生)の3名と意見交換会を行いました。
意見交換会は、9月2日(水)の20:00~21:30に、Zoomを使ったオンライン形式で行われました。66期は高橋大地氏、西村勇人氏、漆原航大氏の3名、同窓会側は、45期 近藤亮介氏、39期 大須賀喜彦氏、37期 河原光博、村井基彦と、30期の山田宏幸会長の5名が参加しました。因みに66期の3人は、前述のWEB上での学びの場を「栄光学園大学」と銘打って、栄光OB・在校生限定の自主セミナーを企画・実行しているメンバーで、彼らの活動を知ることと、同窓会に対するニーズを確認するのも大切な目的として開催しました。
当初、親子ほども年が離れていることで、ざっくばらんな意見交換ができるか不安もありましたが、思いのほか活発な意見交換、双方の認識の共有ができました。また、EACONについて実際に機能を一部紹介したところ、OBの検索機能や連絡先があることはかなり魅力的に映ったようでした。彼らが運営する「栄光学園大学」の講師選定や就職活動でも使ってみたいとのことでしたので、今後を担う若手OBのためにも、本稿を読まれた方は、EACONの情報の更新をぜひともお願いします。
また、彼らが運営する「栄光学園大学」の理念にも触れることができ、同窓会としても彼らの自主性の邪魔とならない程度にできる限りの支援をしていく方向で検討していきます。OBの皆さんも、YouTube上に会員限定公開されているコンテンツで、まずは彼らの活動をご覧ください。(会員登録フォーム:https://forms.gle/JsDeMmkQcidSBVu38)
ここまで述べてきましたように、今年度は20代~30代前半に対し、活動促進のトライアルを行うとともに、新型コロナウィルスをはじめとする世の中の状況を見定めながら、来年度以降の活動につながる準備をしていきたいと考えております。<
検討・実行する際の指針として、本特別委員会で昨年度から整理してきた図2「栄光学園同窓会--使命と理念-」に照らし、人がつながる、つなげるための仕掛けとして機能するかを評価軸としていきたいと思います。