ホーム活動報告・会報記事アーカイブ事業田浦時代の思い出 ~當眞先生とすき焼きパーティー~

アーカイブ事業田浦時代の思い出 ~當眞先生とすき焼きパーティー~

「田浦時代」の先生に「當眞嗣康」という先生がおられた。とても個性的な先生で記憶に残る先生のお一人でした。沖縄出身で早稲田大学で東洋哲学を学ばれて色々な人生体験を積まれた41歳の時に創立間もない栄光に教師として招かれて2期生を主に歴史と漢文を担当されていた。生涯独身を貫かれて、学園が1964年に大船に移転する前、1960年7月22日に53歳で亡くなられた。
大柄な体格で板書も白墨が折れるくらいの力を入れて書かれる気迫のある授業は今でも記憶に残っている。
創立間もないころの何人かの先生方は校門から入って10分位歩いたところにあった10部屋位のアパートに住まわれて當眞先生もそのお一人だった。先生は生徒とよく交流され特に2期生の有志が正月に先生の部屋で肉、野菜、米などを持ち寄ってすき焼きパーティーで語り合ったことは青春時代の良き思い出である。後に成人の日の祝日(1949年制定され1月15日が祝日となった)にすき焼きパーティーを開いたことが卒業後も続き懐かしい想い出である。(添付年賀状参照)。
それともうひとつ忘れられないことのひとつに、千葉県の鋸山に遠足に行った時の帰りの事、金谷→久里浜の船に乗って出航を待っていたとき、時間が来ても一向にシ出航しない。いやに乗船客が多いことに気づいた當眞先生が船長に定員を確認したところかなりの定員オーバーの乗客が判明。當眞先生の強い抗議で後から乗船した客を定員まで下船させたことがわかった。なかなかできることではない。生徒の安全を第一優先に気遣う當眞先生の気骨ある一面であった。尚當眞先生の墓は横須賀衣笠の曹源寺境内のカトリック墓地にある。

東海林 修 (2期)

當眞先生からのお葉書