「栄光同窓カトリックの会」の講演会を、3年半ぶりに、3月18日に栄光学園聖堂ホールで開催することができました。本会は、同窓生と学園関係者が、学園の基本理念でもあるカトリックの信仰をより深め、相互に研鑽し、学園の理想実現への協力を目指しております。2007年に設立し、毎年1・2回の活動を続け、2022年より13期 土屋 至 氏を新会長とした、同窓会の支部でもあります。
今回は同窓会誌98号(2022年10月)に「学園の事務室からー卒業生として事務室に勤務した感想」を掲載された、24期カトリック信徒である学園事務総括、長屋 忠 様に表記の講演をお願いしました。1期生から52期までの27名が出席、初めてズーム参加を試みましたが、こちらの手違いで8名の方としか接続できませんでした。
同窓会誌に掲載されてた感想を説明され、カトリック校としての学園の変化を理解するための基礎的事項を示されました。まず、学園出身の神父様のデータですが、帰天された方も含めて、一桁期の卒業生では10名、10代の期で3名、20代の期で3名、それ以降の期で3名とのこと。在校生本人の申告によるカトリック信者は、高校生で5名、中学生で7名。最近、洗礼を受けた生徒は、教皇来日ミサがきっかけにとなった1名。現在の教職員の中で信徒は2割を切っているとのことでした。
学園における宗教活動は、副校長の下に宗教活動委員会と愛の運動委員会があり、複数の教員の指導のもと活動している。宗教活動委員会は、各学年の聖書研究会(旧公教要理)を束ね、福音書などを読み、生徒の自由な討論の場にもなっている。コロナ禍で一時中断しましたが、今年度から再開し、希望者による長崎巡礼も行っている。また冬休み2泊で釜ヶ崎のボランティア活動も続けています。愛の運動委員会では自主的に参加した生徒による奉仕活動を続いています。児童養護施設への訪問、そこでの学習ボランティア、校内へのクリスマス招待。ハンセン病療養所への訪問、研修。災害時の募金活動、チャリティー販売等。一般的な奉仕活動を行っている保護者の「たんぽぽの会」には、校内へのクリスマス招待の際には大いにサポートしていただいています。
現在学園には神父様は常駐しませんが、イエズス会よりチャプレン1名が派遣され、学校行事でのミサを担当、父親向けの聖書研究会を行なっています。母親のための聖書研究会は「金曜会」呼ばれ、校長先生自ら担当しています。田浦時代から続く在校生.卒業生の保護者信徒による「すみれ会」は校内聖堂の清掃を継続し、毎年会費を集め、学園の宗教活動のための寄付を続けています。このように、神父様が常駐しない現在の栄光学園の宗教活動を、卒業生信徒の方々が認識し、宗教活動に携わる教員との対話をなど何がサポートできるか考えてほしいとの課題が示されました。
その後の質問討議も活発に行われ、学年末の多忙な時期であるにもかかわらず参加してくださった現職の教員からの説明もあり、卒業生の現状認識は深まったと思います。田浦時代には、10名を超える神父様が校内で活動、各学年卒業までに学年の3割以上の洗礼者がいました。大船移転後も10名を超える神父様が校内で活動された時期もありましたが、今とは大きな違いです。
神父、シスターの聖職者の激減は、他のカトリック、ミッションスクールでも同様で、お互いに学び合うこともあるのではないかとの意見ありました。栄光学園でも、進学校での福音宣教の課題は今後ますます大切だと思います。最後に、ズームで参加された元校長関根神父様から「栄光の卒業生は、現在の社会で1人ひとりカトリック信徒としてても貢献し、母校を見守って」とのメッセージが寄せられました。
大島 弘尚 (14期)