山岳部OB会が10月12日(土)午後12時半から横浜駅東口の崎陽軒本店で開かれました。3期生から24期生までの30人が集い、「よき青春の日々」を思い出しながら3時間余りを過ごしました。OB会は、部の創設者であり部長だった天狗さんこと故ハンス・シュトルテ先生の誕生日(10月15日)に近い土日を選んで毎年開いています。
前日に日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞が決まったことから、広島で被爆した天狗さんの話が出ました。天狗さんは自らの被爆体験についてはあまり語りませんでしたが、この日挨拶に立った8期の仲村邦弘さんが、天狗さんが紫色になった足のあざを見せて、広島での被爆の跡だったと話されたというエピソードを紹介したことをきっかけに、爆風で10メートル飛ばされた話を聞いた、など戦前に来日して戦争や原爆を体験した天狗さんについて語り合いました。
OB会は、14期の磯村正義会長の挨拶と昨年亡くなられた方への黙祷に続き、3期の広瀬徹也さんの乾杯の挨拶でスタート。10期の岩崎孝之前会長が山小屋に設置するストーブの報告をしました。これは昨春OB会が山小屋でストーブを使ったところ底部に穴が空いていて更新が必要なことから、昨年9月にOB会で募金を行ない、集まった約170万円をストーブを中心とした山小屋の修繕費にと学園に寄付したことに始まります。今春には新ストーブで暖をとれると楽しみにしていましたが、学園の機種選定に時間がかかり、10月中に設置予定とのことでした。OBからは12月にはぜひ新ストーブで小屋の夜を楽しみたい、との声が出ていました。
この日のハイライトは、3期の星野芳久さんが自ら作詞した「劔、わが山」を歌い上げたことです。リーダーを務めた10期生の2週間の剱岳合宿の思い出を「穂高よさらば」(古関裕而作曲)のメロディーにのせた歌。日本百名山の中でも難関とされる岩峰剱岳を高校生が難しいルートから登った山行でした。星野さんの歌声に触発されたかOB会の最後は「山岳部歌」「栄光山小屋の歌」「天狗隊の歌」「涸沢の朝夕」という山岳部定番の歌を次々と全員で歌い、来年の元気な再会を誓って散会しました。
山岳部は部活動としては24期を最後に無くなりましたが、私たちOBは、刻まれた良き青春の思い出を今の栄光学園にどのように伝えていくか、丹沢・札掛の山小屋、栄光ヒュッテを核に模索しています。
中川 聡 (24期)