ホーム活動報告・会報記事支部等活動山岳部OB会 故人を偲んで

支部等活動山岳部OB会 故人を偲んで

山岳部OB会が10月11日(土)午後12時半から、横浜駅東口の崎陽軒本店で3期生から24期生までの25人が集まって開かれました。昨年のOB会から一年の間に亡くなられた方が7人と多く、故人の山岳部時代のエピソードや業績などを振り返りながら3時間余りを過ごしました。OB会は、部の創設者であり部長だった天狗さんこと亡きハンス・シュトルテ先生の誕生日(10月15日)に近い土日を選んで毎年開いています。
会は磯村正義OB会長(14期)が、昨年12月に丹沢・札掛の山小屋に新たに設置した薪ストーブの火入れ式を行なったこと、6月にはこのストーブが山岳部OB会の寄贈によることなどを記した銘板が小屋の壁面に付けられたことなどを報告。続いて亡くなられた方を偲んで全員で黙祷をしました。
乾杯のあいさつは星野芳久さん(3期)。同期の広瀬徹也さん(帝京大学名誉教授)が日本社会精神医学会の第2回加藤正明賞を受賞したことを紹介し、受賞のお祝いとともに山岳部員の健康を祈念して杯をあげました。この受賞は、物故者が多く湿った話題に傾きがちなOB会の明るい話題でした。広瀬さんは、「受賞の背景には『運鈍根』がありました。これは山岳部で鍛えられ、特徴でした」と述べられ、今も心臓のリハビリを兼ねて山に登っているという近況を話されました。
挨拶では佐竹信一さん(12期)が同期で5月に亡くなった富田武さん(成蹊大学名誉教授)の栄光時代の思い出や東大闘争にかかわり苦労したこと、ソ連崩壊後は毎年のようにロシアに通い、公開文章を読み込んで、スターリンの研究やシベリア抑留に関する多くの著作を残されたことなど紹介しました。また、田中泉さん(11期)は同期の本多勝さんが晩年に将棋を極めていたことを紹介して「よき人生だったのでは」と話していました。
長野県の高妻山(2353m)で6月に遭難死した松本達朗さん(23期)については、同期の久保田洋一さんが「松本君は歩くことが好き」で学生時代には東海自然歩道を歩き、退職後はお遍路さんをやり遂げ、ヒマラヤのトレッキングに挑戦し、百名山踏破を目指していた途中での遭難だったとして残念がっていました。
一方、小菅純さん(18期)は逗子市、葉山町、横須賀市にまたがる「二子山山系」の魅力と、所属している「二子山山系自然保護協議会」が今年作成した曲がり角や危険個所を記した「分岐図」(web版)を紹介。低山とはいえ道迷いや遭難が増えていることから、楽しみながら登山道整備をしていることなどを紹介しました。
最後にOB会の恒例となっている「栄光山小屋の歌」「天狗隊の歌」「涸沢の朝夕」を斉唱し、「山岳部歌」で締めくくりました。来年は10月17日(土)を予定しています。

中川 聡 (24期)

OB会集合写真