5期は佐藤正彦の『ヒマラヤの寺院 ネパール・北インインド・中国の宗教建築』(鹿島出版会2012年刊 A5判 320頁 定価4,200+税)を紹介します。
著者は、建築史家である。建築を学ぶ最良の教科書は実物であるという信念を持って世界中の建築を見て歩く。そんな中の一つが、ネパールの寺院であった。首都カトマンズ、旧首都パータン、バクタプルは、寺院の都市である。本書は、独特の美的感覚をもつ寺院建築の全貌に迫る。20余年の歳月をかけて実測調査した245棟の平面図と写真と位置図及びコラム15編を掲載する。目次は、次の通りである。
プロローグーなぜ寺院建築なのか
エピローグ
2016年春、駒澤大学仏教経済研究所研究員の辻井清吾氏より以前ネパール大使館勤務の菊池法純氏を紹介された。用件は、復興に本書掲載の図面等の利用許諾であった。ネパールは2015年4月25日M7.8の巨大地震により3都市の建物が壊滅状態になった。本書が役立ったことは望外のよろこびであった。
佐藤 正彦 (5期)