神奈川県の南には、大島から青ヶ島までの伊豆諸島が並んでいる。これらの島は東京都に属しており、毎日船が訪れているが、一番遠い青ヶ島にはあまり船が行けず、かなり不便である。
島に近づくと、島のまわりは40mほどの崖が続いており、島の南に小さな桟橋がある。船が着くと崖の下に小さな長いトンネルがあり、それを抜けると古い時代の大噴火原に出る。島の大半が吹き飛んだあとは広い凹地になっている。
その後、約250年前には噴火が続き、132人が亡くなり、残りの202人は八丈島に避難した。50年近く経って、やっと青ヶ島に戻ってきたが、人々は噴火口を避けて北にある僅かな高台に住むことにした。
島の周りは流れが早く、波も高いため、あまり漁ができない。小さな船は海に流されないように、ケーブルで高い処に上げてある。
島の旧火口の一部は未だ噴煙を上げている。そのそばには60度の蒸気風呂がある。風呂を出ると、外には蒸気で野菜や芋、卵などを蒸す釜があり、暫く待つと蒸し上がった食物を心ゆくまで堪能することができた。
池添 博彦 (8期)