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各期活動新美 潤ボルトガル特命全権大使を訪ねて

昨年10月に22期の新美 潤君がボルトガルの特命全権大使に任命され、11月よりリスボンに赴任した。新美君は、外務省入省後、ロシア公使、タイ公使、ロスアンゼルス総領事等を経て、ポルトガル特命全権大使に赴任することになったので、この度、栄光の同級生である22期の3人が同君のご招待により、リスボンを訪ねる機会を得たので報告したい。
ポルトガルは、一年中ゴルフのできる温暖な気候で、しかも治安がよく、海に面しているので、海産物が豊富で、ワインも美味しい。また、16世紀前半の種子島への鉄砲伝来以来古くから日本との結びつきが強く、日本語の中には、ポルトガル語に由来する言葉も少なくない。そのためか、ポルトガルは欧州の国の中でも親日的と言われるが、実際訪れてみるとそれを実感できた。
ポルトガルの首都リスボンの空港には、9月8日の夕方同期の越智重夫君、藤原俊二君と共に羽田からロンドン経由で約18時間かかって到着した。空港では新美君が迎えにきてくれていた。空港は、リスボンの中心部にある大使公邸から車で約20分と近かった。ポルトガルは、地中海性気候で大西洋に面しており、温暖だが年間雨量は少なく、車窓から見る街の風景はカルフォルニアと似た感じであった。
大使公邸についたのは、午後7時をすぎていたが、夏時間のせいもあり、まだ十分に明るかった。大使公邸からから、テージョ川が見え、大航海時代にはそこにあった港から、ヴァスコ・ダ・ガマ、マゼラン、そして栄光学園ともゆかりの深いフランシスコ・ザビエルらが出航したとのことだった。また、大使公邸からは有名なジェロニモス修道院の塔が見えた。夕食は、大使公邸付きのシェフによる地中海の幸を食材とした日本料理とポルトガルのワインに舌鼓を打った。
翌日は、リスボンより約30km西にあるユーラシア大陸最西端のロカ岬に行った。岬の突端の140mの断崖の上には、「ここに地果て、海始まる」と刻まれた石碑が建っていて、確かに「地の果て」を実感した。ロカ岬から約10km東には世界遺産のシントラがあり、ここにはべーナ宮殿、王宮がある。べーナ宮殿までは、駐車場から徒歩で30分くらい急な登り坂を上がってゆかなければならないが、その宮殿は、イスラム、ゴシック、ルネサンス様式の混在した奇抜な外観を呈している。20世紀初頭まで、実際に国王が過ごしていたという。大使公邸に近いジェロニモス修道院は、現在の天皇皇后も訪れた欧州を代表するカトリックの修道院であるが、その中にあるサンタ・マリア教会は広大ではるか遠くに祭壇があり、ヴァスコ・ダ・ガマの棺が安置されている。ジェロニモス修道院は、天正遣欧少年使節団が訪れてあまりに壮大であることに感銘したと言われるが、まさにそれを感じさせるものであった。ジェロニモス修道院の隣の河岸沿いには、大航海時代を記念して1960年に作られた発見のモニュメント、1520年に河口を守る要塞として作られたペレンの塔がある。夜は、ポルトガルの民族歌謡の生演奏が聞けるファドレストランでシーフードを中心としたポルトガル料理とポルトガルワインを堪能した。観光以外では、あまり知られていないが、ゴルフコースもいつくか素晴らしいものがあり、新美君と共にラウンドを楽しんだ。ゴルフ好きの方にはポルトガルへ訪れる機会があれば、是非お薦めしたいと思う。また、栄光の卒業生でポルトガルへ訪れる機会があれば、是非大使館を訪ねてみられることもお薦めする。

菅野 洋 (22期)

ジェロニモス修道院の前にて。左から越智君、藤原君、新美君(ポルトガル大使)、菅野(筆者)