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各期活動27期有志による大相撲観戦イベント

27期は還暦を越えて益々、様々なイベントを通じて集まるようになりました。
特に今年度は、新型コロナでの行動制限が解けたこともあり、夏のハマスタ観戦、秋のゴルフコンペに続き、今回は大相撲観戦になります。
以下に、イベント主催者で幹事役でもある、慶応義塾大学商学部教授の中島隆信くんにレポートしてもらいました。

(栄光学園同窓会・27期常任委員より)

栄光同期にこんなにも大相撲ファンがいたとは!
イベントを企画した者としての偽らざる心境です。この大相撲観戦ツアーは今回で3回目となります。1回目は2013年の九月場所、2回目は2017年の一月場所で、参加者はそれぞれ12名と18名でした。そして今回はなんと20名も集まりました。しかも、同期のメーリングリストでアナウンスしてからわずか1週間という早さで枠が埋まりました。

両国国技館のマス席は土俵に近い順からABCの3ランクに分かれています。チケットは一般の予約サイトからも購入できますが、土俵に近い席やテレビに映る向正面の席は国技館内の20ある相撲茶屋が押さえています。そして、そのなかでもさらによい席はスポンサーである大企業によって占められているため、われわれが手に入れられる席は限られます。そのため、希望する日にちと必要枚数を早く茶屋に伝えておかないとよい席はとれません。今回は私が懇意にしている高砂家さんに便宜を図っていただきました。

1マスの定員は4名なので、参加メンバーの数も4の倍数であることが望まれます。しかも、茶屋経由のチケット購入の場合は、こちらの都合を聞いていただく代わりに、幾ばくかの相撲土産を注文しなければなりません。さらに、チケットもそれなりの金額ですが、キャンセルはできません。

これだけの制約にもかかわらず20名もの同期生が集まったのです。そのうえ、みな驚くほど相撲に詳しい。土俵に向ける視線も鋭い。その熱意に応えるはずの本場所は、横綱土俵入りもなく、大関が一人だけとはどういうことか!休場力士も多いぞ!力士たちよ、奮起せよ!

でも杞憂に終わりました。ひとたび土俵に目を向ければ熱戦に次ぐ熱戦。物言いあり、回し待ったあり、土俵際の逆転ありの大盛り上がり。満員御礼の垂れ幕が下がり、マスク越しながら客席からのかけ声も復活し、国技館には活気が戻って来ていたのです。おぉ、これぞ大相撲。国技館でしか味わえない見世物です。つやつやした力士たちの肌、きらびやかな行司の装束、ピンと張った呼び出しの声、そして大きな吊り屋根、すべてが絶妙な調和を持って伝統文化を形作っているのです。そこにわれわれ栄光の同期が集う。もはや感動しかありません。

熱戦を堪能したあとは、お決まりのちゃんこ。場所は〝孤独のグルメ〟でも紹介された〝ちゃんこ大内〟です。時津風部屋の巨漢大関・大内山の写真が飾られた奥座敷を占領して、興奮冷めやらぬなかでの大相撲談義、そして懐かしい仲間たちとの語らい。玉縄の丘の上で6年の時を共有した友だけに許されたまさに夢のような時間でした。

私が大相撲に目覚めたのは栄光時代です。そこで蓄えた知識をもとに『大相撲の経済学』を執筆したのは2003年のことです。そのあと、角界は〝若貴騒動〟〝野球賭博問題〟〝八百長発覚〟等々スキャンダルと不祥事に見舞われ、それらの問題を解決すべく開かれた〝ガバナンスの整備に関する独立委員会〟にも関わりました。私はいつしか〝ご意見番〟として大相撲を一歩離れたところから見る癖がついていました。

でも、今回は違いました。心から土俵を楽しむことができたのです。久々に戻って来た感覚です。わくわくしながら取組を観戦し、友人と予想番付を作り、修道院脇の鉄塔の下で相撲を取っていたあの時代。この感覚を半世紀ぶりに今回のイベントが呼び戻してくれたのです。ありがとう、仲間たちそして大相撲。また国技館で再会しよう!

(27期 中島隆信 記)

東方幕内力士の土俵入りです

力士たちから元気をもらい、打ち出し後は恒例のちゃんこで舌鼓