新校舎の建設に向けて夏休みに旧校舎の取り壊しが始まり、2学期から仮校舎での学園生活がスタートしました。始業式での望月伸一郎校長の話の一部を紹介します。
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いよいよ、2015年度の二学期が始まりました。新しい校舎の建設に向かって、栄光学園という大きな船が港を出たような気がします。確実に新しいステップに踏み出しました。今まで毎日使っていた校舎にフェンスがかけられて、慣れ親しんだ校舎に入ることはできなくなってしまいました。今日初めて仮設校舎に入った人も少なくないでしょう。新しい学校に転校したような気持になった人もいるかもしれません。その不思議な気分というのは、ここに集まっている皆が持っているものです。自分だけではないので安心して生活を送りましょう。
先学期の終業式で、私は皆さんに、校舎へのお別れに感謝を込めて最後に思い切り教室をきれいにしましょうといいました。その日の夕方、皆さんが帰ったあと、私は校舎の中のすべての教室を見て回りました。残念ながら靴箱やロッカーの中に私物が残っていることもありました。心当たりがある人は、今度、仮設校舎から新しい校舎に移るときには気を付けてください。私物が残ってはいましたけれど、教室の床はとてもきれいになっていました。それを見て感激しました。私も夏休みの最後の日、校長室の荷物を段ボールに詰めた後、一人で雑巾がけをしました。君たちに刺激されました。
古びてきていても、いつも身の回りにあって親しんできた校舎に別れを告げるというのは、正直、寂しいものです。新しい校舎に慣れるには時間がかかるかもしれません。なんとなく気持ちが不安だ、落ち着かない、イライラするとかいう人がいたら、遠慮なく担任の先生やほかの先生に相談してください。君たちの言うことに耳を傾けてくれるはずです。決して一人で抱え込まないでください。
本校舎の各教室を回ったときに黒板アートも見ました。参加総数は17教室だったかと思います。上手とか下手とかを超えて、何よりも君たちの校舎に対する感謝が伝わってきました。校舎は生き物ではありませんが、もし命があるとしたら最後に飾られて、とても幸せだったと思います。
囲碁将棋部の将棋グループは全国大会に出場し、関東大会では見事優勝しました。キャプテン F君(65期)のレポートを紹介します。
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今年の夏休みは大会や合宿など、将棋行事の多い充実したものでした。その詳細について、ご報告させていただきます。
7月28・29日に、滋賀県で行われた全国総合文化祭に出場しました。県予選大会を何とか2位で突破し、全力で臨んだ2回目の全国大会でした。初めて参加した大会では気持ちで負けていた反省から、積極的に攻めることを意識し、負けそうになっても堂々とした態度を保つことで最後まであきらめないように戦いました。それでも、大会参加者約100名のうち32名が選抜される予選で4戦中2勝2敗の結果で、本戦出場にはあと1勝が足りませんでした。さすが全国大会、厚い壁でリベンジは叶わず。
8月23日には、もう一つの大会に参加しました。東京で行われた関東高校リーグ、将棋団体戦では珍しい5人1組と多いメンバー数で戦う団体戦です。将棋部としての実力が問われます。関東圏の将棋強豪校が30校ほどしか参加できません。栄光学園はその中でも最上位のA級に属しています。A級グループ参加校は開成、浅野、筑波大駒場、日大三島、桐朋、栄光の6チームで、リーグ戦で競います。1戦目に当たった開成には惜しくも負けてしまいました。そこから奮起、5人の力を結集して相手を倒して破竹の4勝です。2位以下との差をはっきり見せて、単独優勝という結果を得られました。メンバーは66期M、K、I、65期Hと私の5人です。皆安心して背中を預けられる仲間であり、関東大会で優勝できて本当に嬉しく思います。
最後になりましたが、将棋の練習に打ち込めるように支えてくださった顧問の廣井先生、小谷先生。そして、全国大会、関東リーグ大会の時には暑い中引率して下さった石川先生に心からお礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
工事が進む中、秋晴れの下で第65回体育祭が行われました。実行委員長 K君(65期)のレポートから抜粋して紹介します。
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今回の第65回体育祭のスローガンは「Arrow」(矢)、「矢のように真っ直ぐ突き進んで行きたい」という願いを込めました。仮校舎に移り、工事期間中初の行事ということで、始めは今まで違うことに混乱しましたが、先生や工事関係者の方のおかげでほぼ例年通りに準備を進めることが出来ました。かなり思い切った競技変更やオリジナルテーマソングの作成など、新たな時代への橋渡しとして伝統を引き継ぎながら、新しい取組みにも挑戦しました。
閉会式の直後、もっとこうしていれば良かったといった後悔や、もっと上手く出来た筈だといった悔しさが込み上げ、泣けばいいのかどうすれば良いのか分からずにいました。すると先生や友達に「良かったよ」とか「頑張った」とか声をかけられ、胸の奥から達成感がわき上がってきました。暫くして落ち着いて来ると初めて実行委員会に入った2年前のことや、実行委員長になろうと決意し奮起した日のこと等が思い出されました。
実行委員長になってから体育祭までの日々を振り返ってみると、「矢のように真っ直ぐ突き進んできた」、というよりは自分には出来ないことをそれでも何とか成し遂げようともがいてきた、という感じです。ことある毎に自分の無力さを痛感し、実行委員長の責任の重さに押しつぶされ、先生や幹部、実行委員の皆等々沢山の方の支えのおかげで進んで来ることが出来ました。色々なことがありましたし、多くを学び、とても貴重な経験をさせて頂きました。 多大なご協力を頂きました矢口先生をはじめ体育科の先生、高2の担任団を中心とする先生方、事務、工作、救護の方々、体育祭を行えるようにお計らい頂いた工事の関係者の方、体育祭を盛り上げてくれた栄光生、ご来場頂いた皆様、ありがとうございました。
一緒に体育祭をつくってきた実行委員、応援団の皆、部門長の4人と応援団長の4人どうもありがとう!第65回体育祭にこれ以上無い最高のメンバーだったと思います。これからもそれぞれの目標に向かって矢のように突き進んで行きましょう。
本当にありがとうございました。
物理研究部と生物研究部は科学の甲子園官側県大会に参加し、5年連続5度目の優勝を飾りました。
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10月25日(日)に筆記競技,11月3日(祝)に実験競技と総合競技が行われました。
今年から各校最大2チーム(各チームは高1~高2の6~8名)がエントリーできることになりました。
理科と数学と情報分野からの筆記競技、無機定性分析が出題された実験競技、コーヒーフィルターを用いてゆっくり正確に落下させるパラシュートの製作が課された総合競技を通して、終始成績の安定していた栄光学園高校Aチームが優勝、筆記競技で大健闘の栄光学園高等学校Bチームが準優勝という最高の結果でした。
県の代表校として、3月18日(金)~21日(月)に茨城県で行われる全国大会に選抜8名で出場することになりました。
昨年以上の順位を目指して頑張りますので、去年に引き続き応援をお願いします。
広報部補足:2016年3月21日に行われた科学の甲子園全国大会で栄光学園高等学校チームは見事準優勝を納めました。
毎年年末に大阪市西成区あいりん地区(通称「釜ヶ崎」)に望月校長他教員の引率の下聖書研究会の高校生が3日間のボランティア活動に参加しています。この活動は日常的に支援を行っている地元のイエズス会の団体の活動に参加する形で行われ、昨年暮れも13名の高校生が広島学院の生徒たちと一緒に参加しました。活動報告の中から高1(66期)N君のレポートを紹介します。
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今回の体験で自分は学ぶことの大切さに触れた。もともと中学生のときから興味があり、行こうと思っていたためホームレスや日雇い労働者に関する本や記事は読んでいて、多少は知っているつもりだった。ある程度釜ヶ崎に対するイメージは持っていたが、ほとんどが間違っていた。新しく知ることばかりでこんなにも一致しないことは始めてだったので戸惑いもあった。ボランティアは弱い立場におかれている人を助け、社会に貢献するものと思っていたが学びの場であることを知った。実際に行ってみるとわかることはとても大きなものだ。
釜が崎は自分が思っていたよりも人が多く、小さかった。しかし想像以上に町はきれいで人は明るく、なによりも団結力があった。神父の講義によると釜ヶ崎は全国からの支援がある。もっと厳しい生活を送っているのは小さな都市で独り生活している人で、釜ヶ崎は受け皿の役割もはたしている。近隣の小学校では講義や募金があって、もっと多く学び考えている。
釜ヶ崎で見聞きし、感じたことはこの機会を逃せば後から学ぶことのなかったものだった。記憶に残すだけでなく今後に活かしたい。しかし今回は現実を知っただけで、もっと深く知ることはできるはずだ。機会があればもう一度参加したいと感じている。
内山 正樹 (9期)