望月 伸一郎
新入生のみなさん、入学おめでとうございます。先週は関東地方も雨がちでしたが今日は本当に見事に晴れ渡り、77期の出発にふさわしい絶好の入学式日和となりました。
正門から入ってすぐのところにある大きな階段の左側に、大きなガラス製のサインボードがあります。今朝は、その横で記念写真をとっているご家族もたくさんいらっしゃいました。そのサインボードには栄光学園の校章・校名が記されてあり、その下に、栄光学園の「栄光」という校名の由来である「ad maiorem dei gloriam」という言葉が書かれています。これは、「より大いなる神の栄光のため」というラテン語の言葉です。
この「栄光」という言葉は、聖書にしばしば出てくる言葉です。聖書に出てくる「栄光」のキリスト教的な意味は、「そのものの素晴らしさが輝き出ること」です。
冬の間は枯れてしまっているのか、一見してもわからないような草や木でも、春になると、それぞれの時期にそれぞれのきれいな花をつけ始めます。それは、そのものの素晴らしさが輝き出る、すなわち栄光を現している、といえます。
私がみなさんに伝えたいことは、栄光をあらわす、つまりその人の素晴らしさが輝き出る、というのは、なにも優秀な成績をあげたり、難しい入学試験に合格したり、コンテストや競技で優勝することだけではありません。
例えば、学校生活のなかでも、授業中に、難しい数学の問題をうんうん唸りながら考えたり、面白い話を聞いて大声で笑ったり、外で身体を思いっきり動かして体操したり遊んだり、そして毎日学校に通っているというそのこと自体が、すでに素晴らしさが輝き出ること、栄光をあらわしていることであると思います。
栄光の卒業生はすでに一万人以上います。卒業生の栄光の表し方も実に様々です。宇宙飛行士となって地球を取り巻く大気圏の外で活躍していた人もいます。熊本県の山あいの集落にずっと住みながら、そこに暮らす人々のために、見事な竹細工を制作し続けている人もいます。同じ医者として活躍している栄光の卒業生であっても、大学の研究所の中で、認知症など、その病理が解明され尽くしていない病気の先端的研究をしている方もいます。一方で人口が減少し過疎化が進んでいる地域で、一人一人の高齢者のために医師として頑張っている方もいます。栄光学園で育てられた種は、実に様々な形で成長するものだと、卒業生たちと会うたびに実感します。
栄光学園とは、学校の校舎のことでも、校章のことでもありません。栄光学園とは、ここに集まっている生徒ひとりひとりのことです。みなさん一人一人はすでに栄光学園であり、その構成員です。是非、これからその栄光を表す人になっていってください。
75期 N君
新入生の皆さん、本日はご入学おめでとうございます。この場を借りて、新入生の皆さんの不安を少しでも解消できるよう、栄光学園を紹介しようと思います。
まず、学習についてです。栄光生が全員持っている学生手帳の「学習」というページに、「自学自習の精神」と載っています。ただ、「自学自習の精神」って抽象的ですよね。その精神を感じたエピソードを紹介します。英語の授業のことです。先生は問題集や自作のプリント、教科書などを細かく組み合わせて授業なさっています。生徒はどの教材を使って復習するのかを自分で決めなければなりません。先生から指導はありますが、細かくあれこれ指定することはなく、「これはやっておいてね」と言われる程度です。つまり、何をいつどれくらい復習しなくてはならないのかを、自分で考え、判断しなくてはならない。栄光学園に入学すると、学習は主体的に取り組むものとなります。
次に友達についてです。栄光学園では、どういう訳か、誰でも友達ができます。一つ例を挙げましょう。「一人の少年がいました。彼は休み時間にシロツメクサ、いわゆるクローバー、を刈り取っていました。また、その隣で、地面を掘っている少年がいました。この二人は次第に親しくなり、半年後には、休日に一緒に出かけるようになりました」これはお察しの通り、私の実話です。途中のことを省いたとはいえ、意味が分からないと思います。が、安心してください。私も意味が分かりません。とにもかくにも、友達という点について、みなさんは過度に心配することはないと思います。一応言っておくと、私は小学校時代友達がほとんどいなかった人です。そんな人でもなんやかや友達がいる人になっていますから安心してください。
もうひとつ紹介します。栄光には様々な委員会活動があります。それぞれ目的や役割を持って運営される有志による活動です。有志ですので、やってもやらなくてもいいのです。しかし、自ずと人が集まるのです。例えば、栄光祭実行委員会。すべて生徒がやっているのです。この大規模な委員会、採用審査を行うくらい人気でした。栄光学園ではこうした生徒の自主的な活動も盛んです。是非応募してはいかがでしょうか。
栄光学園について少しは知っていただけたでしょうか。皆さんに伝えたいのは、気楽に色々なことに挑戦してほしいということです。それでは改めまして、皆さん、ご入学おめでとうございます。
77期 O君
私たち栄光学園、第七十七期生は、待ちに待った入学の日を迎えます。「七十七」は「七」が並び、チャンスが訪れそうな縁起の良い数字です。私は、第七十七期生と、この幸運をものにできるよう努力を惜しまず、支え見守ってくださる家族や、迎えてくださっている方々への感謝の気持ちを忘れず、切磋琢磨しながら充実した六年間を過ごしたいと考えています。
小学五年生の時、母に連れられて学校見学に訪れた際、校舎の外観の美しさに目を奪われました。また、「こんなに広いグラウンドで仲間と思いっきり遊べたら、どれほど楽しいだろう」と心が弾みました。六年生の時には栄光祭に行きました。あいにくの雨でしたが、「謎解き」や「将棋の対戦」など、室内での楽しい催し物を体験し、「栄光学園に入学したい」という気持ちを強く持つようになりました。入学後、学校で仲間とグラウンドで思う存分、野球やサッカーをしたり、栄光祭や様々な課外活動に参加できると思うと、今から楽しみで胸がふくらみます。