ホーム活動報告・会報記事歴史・文学散歩2016年5月26日(木)  芭蕉と歩く大塚・目白台(芸術浪漫コース)

歴史・文学散歩2016年5月26日(木)  芭蕉と歩く大塚・目白台(芸術浪漫コース)

今回の歴史文学散歩は、JR人身事故による首都圏ダイヤの乱れで集合が大幅に遅れた。護国寺境内で待つこと30分を経て17名の参加を確認、いつも通りの簡単な自己紹介とコース説明から始まった。
護国寺は綱吉将軍が母たる桂昌院の願いを入れて建てた壮大な祈願寺、境内には不老門や観音堂、月光殿や多宝塔、音羽富士(富士塚)など見どころ多く、かつ大隈重信ほか有名人多数の立派な墓が並ぶことでも知られている。
次いで日本女子大・成瀬記念館を訪問。日本初の女子高等教育施設として日本女子大を創設した成瀬仁蔵氏の足跡を写真と資料で辿る施設である。牧師として、教育者として、社会事業家として多面的に活動した明治時代の巨人の一人、あいにくあさ(広岡浅子氏)ほどには知られていないが。
新江戸川公園=旧細川邸跡はみごとな公園であった。肥後熊本藩54万石の江戸の下屋敷の地を都が買い上げ(のちに文京区管理)、手入れの行き届いた快適な公園にした。元学問所の松聲閣から眺める池泉回遊式庭園は大名屋敷の庭らしくゆったりとしていて、樹木うっそうの周囲の小山とその上に広がる広い空が心地よい。その庭に下りてお喋りをしながら昼食をとった。(ここで集合写真。)
関口芭蕉庵の庭で芭蕉真筆を写し取った「古池や 蛙飛び込む 水の音」の碑を眺め、予定の永青文庫と講談社野間記念館は省略して次に向かった。
東京カテドラル聖マリア大聖堂では係のご好意で正面扉を開けて頂き、そこから入って赤い大きな司教座(カテドラ)を眺め、暫く静かな時間を過ごした。
佐藤春夫旧居跡地(建屋は既にない)を経て鳩山会館へ。ここも人気の場所で、この時期にはバラ好きが集まる。150株ほどの代表的なバラが並んで見ごとだ。泰山木の大きな白い花がちょうど盛り、幾つも咲いて芳香を漂わせていた。
最後は「しばられ地蔵」=林泉寺(寺は再建工事中)、名前を知る人は多いが実物を見たものは少なかろう。信仰者が願をかけて地蔵を麻縄で縛り、願が成就したら縄をほどいてお礼をするという。地蔵は頭部を残してすっかり縄で覆われていて願かけの人の数がよほど多いことを告げていた。そして解散。
この日曇り空からしばし日が射したが暑いまではゆかず、文学歴史散歩に快適な一日を過ごすことができた。世話人の皆さまに感謝いたします。

石賀 忠勝 (10期)