実施日:2019年5月22日(水)
今回の歴史文学散歩は令和元年の最初の開催で、久里浜周辺が対象地域でした。ところが予定していた日が前日の天気予報で大雨ということで事務局から前日に延期の連絡があり、1日日延べして実施されました。その影響もあってか普段よりも少なめの10名の参加者でした。この地域は、参加したOBすべてが田浦校舎に通学しましたし、高校の時の40kmの強歩会ではこの付近を歩いた場所でもあるので久里浜は馴染みのある場所と言えます。10ケ所ほどの要所をめぐりましたが、特に印象に残ったところを挙げてみます。
久里浜地域はかつては海でしたが、徳川時代初期から埋立てが進められて現在の姿になったそうです。この埋め立て作業はかなりの難工事だったそうで、その偉業を示す内川新田開発記念碑が平作川にかかる夫婦橋横に建っています。その埋め立てが行われる前には海に面した集落が周辺に数多くあり、その名残としてところどころに貝塚が発見されています。
お寺も何か所かお参りしましたが、京急久里浜駅に近い長安寺は浄土宗の寺で、敷地もたいへん広く立派な寺で大きな幼稚園も経営しています。境内の入り口横には「火伏せ不動」があり、厄除けとして近隣の人の信仰を集めているそうです。
「久里浜花の国」は昭和63年の開園ですが、一時米軍の倉庫であった場所が日本に返還され、その後国から横須賀市に払い下げられました。今は公園としてよく整備されており市民の憩の場所です。春はポピー、秋はコスモスがそれぞれ100万本咲き誇るコスモス・ポピー園をはじめ、ハーブ園、ツバキ園など四季折々の花の開花リレーが楽しめます。自然の地形をいかした園内は広いので、移動には蒸気機関車型のバス 『フラワートレイン』が走っており、起伏が多い園内の移動には高齢者や体の不自由な人にはたいへん便利です。レストランもいくつかあり、高台にあるレストランは東京湾を一望できるロケーションでBBQもたのしめます。ただ、私たちが訪れた日のポピーはやや盛りを過ぎた時期ということと、前日の強い雨風の影響でかなり痛められていた印象でした。
野比に向かう長い上り坂は「知りこすり坂」と名付けられていますが、この坂を高校の強歩会で歩いたことを覚えています。当時は野比周辺の住宅開発が始まった時期で、強歩のスタート地点の京急馬堀海岸駅前が海だったことと併せて当時と比べて今は様変わりですね。
ペリー上陸記念碑は何度か訪れていますが、併設されている記念館を初めて見学し、より当時の様子がよくわかりました。太平洋戦争時には碑が撤去されましたが戦後まもなく復元されたことや碑文は伊藤博文の筆によることなどを知りました。
この記念碑を最後に、1日遅れで開催された歴史散歩を終えて解散しました。
吉田 幸弘 (14期)